まずは「目の前のお客様」


 

 

「伊豆の観光を再構築」若野もの雇用の場創出へというタイトルで先日パネルディスカッションが行われたとのことで、静岡新聞の裏1面に記事が掲載されていました。

 

メンバーは 函南町長・NPO全国街道交流会議の方・大学教授・そして天城の落合楼村上社長・コーディネーターが企業経営研究所の中山さんという顔ぶれ。

 

この中で、気になるのは やはりいつもお話をしている村上社長の言葉。

 

「いま観光事業者がやらなくてはならないことは 自分たちの魅力を再認識してリピーター・ファンを

 増やして行くこと」

 

「サービスを提供する側がお客様に感動を与える事、まずはおもてなしの教育」

 

「入湯税を50円あげさせて頂き それを景観やサービスにつなげていくこと」

 

 

まさに 現場からの声ですよね。

 

先日、僕も静岡県東部伊豆地域の観光会議に出席をさせて頂きました。そのときにお話をさせて頂いたのは、 観光の戦略を練る時に必ず出てくるワードが「インバウンド」 そこから伊豆の場合は「関東圏のマーケット」という話になります。確かに中国や韓国の旅行者の経済的インパクトは見逃せないと思いますし、伊豆のマーケットが関東だというのもわかります、しかしもっと大事なことは 目の前に来て頂いている「お客様」に満足をしてもらうこと。その為に努力をする事 だと思うのです。これは民間が必死になってやっている「リピート」して頂くという事です

 

実際目の前にいらっしゃる方に満足して頂けないと悪い口コミが流れて行く事になります。昔ならまだしも今の時代 良い事も悪い事もネットで流れて行く。すると全てが1回だけのお客様になってしまう。これではずっとループで新規のお客様を獲得して行くということになります。 そんな事は可能ではない、

民間のお宿さんやお店は一生懸命リピートして頂ける様に努力をされていると思うのです。これをおざなりにすると結局インバウンドで多くの人に訪れて頂いても1回で終わりになってしまいますから。

 

だから 多分 順番として

 

1・目の前のお客様に対して全力のサービスをする

2・関東のマーケットのお客様にアプローチをちゃんとする

3・インバウンド

 

1に関しては それぞれのサービスの方が努力されていると思うのですが、基本的な事としてはサービスの講座を頻繁にやったり、もし行政がそれに対して応援するならば講師を派遣したりする事や。実際1番大事な事は村上社長もおっしゃっているとおり「人材育成」ですから。


2に関して これは行政とのリレーションは必要になってきますよね。この春も18切符で北関東や新潟の方をまわりましたが 多くの駅で「河津さくら」のポスターを見かけました。それに東海道線の表示が宇都宮や高崎でも「熱海行き」となっていたりして、チャンスは広がっているように感じています。


3に関しては大事なマーケットだと思います。 ただ僕の感想からいうと「昭和の日本の観光」をインバウンドに求めているのかな?って思ってしまう部分もあります。僕が観光の現場で商売を始めた頃 1994年頃はまだそのなごりがあったんです。例えばバス1台にしても「酔っぱらい」が当時は乗っていた。でも今は酔っぱらいが乗っていないんです、これは時代の流れで 昔は貸切バスで乗っている人が皆同じ会社や地域の人そして知り合いなど気の合う仲間でお酒を飲みながらバス旅行していたのですが、いまは「ツアー」のお客様なので 2席づつの方が集合した乗合バスなんです。

お酒の積み込みもなくなったし、集合写真も昔は皆さん買われたけど いまは1枚買ってコピーすればいいじゃんという声が聞こえてくるくらいです。だからこれは個人的な意見ですけどもインバウンドのお客様もいずれは「個人旅行」になってくるのだろうと思うので、今からそのマーケットに対して対処する事がいいのではないかと思います。


あくまでも個人の意見であり、僕らは権限も予算も持っていないので 自分たちが出来る事をやるだけです(やらなきゃならないことは山ほどありますが)。民間というのはまずは売上が経ってこそのものですから、この辺りもっと行政の人と民間の人がディスカッションをしてその地域を良くする為の情報交換をするべきだと思います。そのカタチがあってこそですからね、その点でぼくらはランチミーティングをお勧めします。(それ以外にもありますが)

そうやって情報を交換していき まず「目の前のお客様に全力で喜んで頂く」こと それは何もサービスだけじゃないですよね。道路の整備や標識だってそうだし、景観づくりも看板の整理も そして「ゴミ拾い」だって 大事なひとつの行動だと僕は思っています。 まずはみんなの目線を「整える」ことです


落合楼村上社長とは月に何度が直接お話をさせて頂く機会を頂いているので、本当に方向性に関して勉強をさせて頂いています。こういう方が本当の「場づくり」をされている方だと思います