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未来の創り方

伊豆市で5年前から取り組んでいる「kURURA」というプログラムがある。内容は地域の小・中学生が地域の魅力ある場所・人・食べ物・遊びなどを取材していくのだが、これがかなり「ハード」なプログラム。というのも実際に取材に行ってお話を聞いたことを文字起こし記事に子供達でまとめるのである。そしてもうひとつは「写真」も子供達が撮ってくるのである。

その原本を大人たちがまとめていくという 本当に根気のいる作業。 

このKURURAを統括プロデュースしているのが、沼津出身で現在東京でデザイン事務所を営んでいる株式会社カラーコード代表の浅井由剛さん。昨日も発表会の場で浅井さんがおっしゃっていたが 最初は修善寺南小学校と伊豆市商工会のコラボでスタートした企画なんです。最初は授業の一環ではじまったのですが、この取り組みが浅井さんの心に響き「10年続けたい!」と言っていただいたんです。 同じくして伊豆市の人材育成プログラム「未来塾」の受講生たちの企画でもちあがったのが「こども未来塾」。川口代表をはじめ多くの大人たちがこのプログラムに共感したんです。

 

なぜ共感したのか。

どの町でもまったく一緒の状況ですが 少子高齢の一途をたどっています。いくら人口対策をしたところで日本中が減っていく中で伊豆市だけ減らないということはないんです。減るのは仕方がないし、都会に進学や就職したいというニーズもあるのは十分わかっています。ならば大人たちができることは 子供達にもっと「伊豆を知ってもらうこと」。そうすれば、この場所を離れても故郷に対しての愛着も深くなり、きっと多くの人に伊豆市を自慢してくれるだろう、そういう子供達に育って欲しいという願いからだったのではないでしょうか。

 

実際、写真の赤い洋服の高橋さんは中学生の時からこのKURURAに参加しているのですが、今年度からは参加者ではなく「編集長」に就任をし、きりもりをしていました。こうやってKURURAと一緒に地域の子供達が育ってくれることが関わっている大人の願いになっています。

昨日のKURURA完成発表会の様子ですが、これだけ父兄の方が集まっていただいたのも過去最高だと浅井さんもおっしゃっていました。年々認知度もあがり伊豆市の広報にも取り上げていただき進んできたのを見てきました。

 

これこそ「観光施策」の一丁目一番地だと思うんです。自分自信もずっと観光に関わる仕事をしてきたので 少し思っていることを書きますが、バブルの頃は社員旅行や団体旅行が多く本当にものが飛ぶように売れました。伊豆の観光ピークは平成三年 まさにこの頃です。そこから時代は下降線をたどり、バス旅行は団体ではなく「ツアー」として知らない人同士が乗り合いとしてやってくるようになりました。その人たちが今度は河津桜を求めて「日帰り旅行」になった。2000年手前からは海外のお客様が徐々に増え、インバウンドを1000万人にするといって観光ビザのハードルを下げて、そこから免税店や色々で右往左往。 ずっと追っかけていく作業が続いています。 ビジネスだから追うのは当たり前だし、追わなければだめになってしまうかもしれない。 でも・・・何かを忘れている気がするんですね。

 

地域も観光も

ビジネスで重要なことは新規のお客様の獲得もありますが、まずは「目の前にいる人」に満足をしていただくこと。これは鉄板ですよね。リピート率を上げて 一定のベースをつくり そのベースの上に経営を考えていくのは当たり前の事なんですが、どうも目の前の人をおろそかにしてきたんじゃないかと思うです。

お客様に対してもそうなのかなって思うシーンは自分も経験してきましたし、まして地域の場合は未来を担う子供達にたいしてまずは「地域を知ってもらう」ことから始めないとならないんじゃないでしょうか。

伊豆は観光地ですが、自分の家から数キロの高級旅館には泊まりに行くことはない。敷居をまたぐこともない、経営している人とも会ったことがない。これではもったいないですよね、 まずは子供達を応援すること、同時に自分たちも学ばせていただくこと。この中長期的な計画があってこそ 短期的なインバウンドやDCが活きると思うんですよね。 

少し長くなりました まだ書きたいこと たくさんありますが、またにします。

 

最後に このKURURAは大人たちが手弁当で子供達をバックアップしています。 そこで昨年に続き クラウドファンディングを実施することとなりました。 もしよろしければ ぜひ協力していただければと思います 子供を応援すると決めた大人たちを応援するのも 僕らの役目だと思っています

 

https://japangiving.jp/campaigns/33675

 

 

飯倉清太